匠インタビュー

TAKUMI INTERVIEW

「あの人に聞けばわかる」
ガンドリルを知り尽くしたアドバイザー

技術部お客様相談係

桑名良典

マルチな技術をこなす
シニアアドバイザー

「シニアアドバイザー」という肩書きを持つ男がいる。技術部の桑名は、今でこそお客様相談係として対応に努めているが、組み立て、営業技術、製造、と一通りこなしたマルチ社員だ。「お客様対応にはとても便利なキャリアです。不具合の対応や機械のメンテナンス、保守など、とりあえずは対応できますからね。まあ、雑用係ですよ。(笑)」と顔を崩して笑う。

ミロクには中途採用で入社した。以前の会社の上司と、今から4代前のミロク社長が友人同士で、「転職先にどうか」と勧めてくれたそうだ。「当時ミロクは急成長していて、人手不足の真っ最中。『明日にでも来てくれ!』という勢いでした。」入社から1年ほどは組み立てに。その後、今は他部署に吸収された営業技術部に配属された。ここでの経験がミロクのキャリアを作ることになる。

「営業技術が一番長くて、30年ほど勤めました。現場に行って機械を備え付けたり、調整をしたりする部署でしたので、基本は外回りです。今の新人には先輩が同行しますが、当時は全く未経験であっても住所と電話番号のメモを渡されるだけ。携帯電話はおろかポケベルもない時代だったので、自由に羽根を伸ばせたので良かったですけど。(笑)」

牧歌的ながら忙しかった日々

取引先は全国各地。アポ取りも宿の手配も自分で行う。会社への連絡は公衆電話からコレクトコール。機械を備え付けた後に取引先と気安くなり、ストーブで焼いたスルメをもらったこともある。お供えしていたお酒のおすそ分けを貰ったこともある。現金が手元にないのを忘れたまま客先に向かい、お客様に「今、財布の中に500円しかない」と話したら快く貸してくれた人もいた。牧歌的な時代だった。係長と桑名と他にもう一人の課員で全国を回った。3人ともバラバラに地方に出張に行くので、他のメンバーとは1年に1回、忘年会でしか会わないようなめまぐるしい日々だった。今は、ほとんどの機械がコンピューター制御なので、そうそう現場に向かうこともない。

「でも、『昔の機械の調子が悪い』と連絡が来ると、やはり飛んでいきますよ。古くても現役で稼働している機械は少なくないですが、メンテナンスができる人がほとんどいなくなってしまいました。カスタマイズされたそれ一台だとマニュアル化することもできず、確認しながら一つひとつ修理していくしかありません。やはり、自分の経験を後輩たちに丁寧に伝えていくしかないのだなあ、と思います。」

難しい条件でも
「できない」とは言わない

「一つひとつ丁寧に」は、桑名が長年の経験の中で育ててきた仕事術だろう。お客様からの問い合わせで難しい案件が来ても、決して「できません」とは言わない。

「お客様のご要望通りには難しいかもしれないけど、ここまでならできます、とか、日程の問題なら機械を止めてもらって調整したりとか。限られた条件の中で最善を尽くすのは、製造もお客様対応も変わりません。従業員が一丸となって、それぞれの業務の中で一つひとつの積み重ねを大事にしてきたから、今のミロクがあるのです。」

社会人としての人生の多くの時間をミロクに捧げてきた桑名。技術を磨き、お客様に揉まれ、酸いも甘いも嚙み分けてきた桑名だからこそ言える言葉だろう。

現場感覚を忘れず、次世代に残す

もう定年が目の前に来た桑名だが、「まだまだできることはある」と穏やかに話す。

「とにかく精度を上げること。今もコンマ1ミリのテストをしています。回転や油の量を考え、ひたすらまっすぐに穴を開けることを目指しています。お客様から穴開けの相談を受けたりもするので、できる限りアドバイスをするためにも現場を見ることは欠かせません。今まで自分が培ってきた経験や知識は古いものかもしれませんが、やはりこの業界であれば知っておくべきことですし、新しい機械は脈々と続いてきた技術の上に成り立っているものです。今の自分の知識をこれからの世代に伝え、ミロクの伝統を残していきたい。それが今の目標です。」

ミロク機械株式会社

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